こんにちは、野咲です。
本当に申し訳ありません。
結局負けました。
これで重要なゲームは20日の代表決定戦に引き続き連敗してしまったことになります。
そして…
さっきから守備陣と攻撃陣の間で言い争いが起こっています。
「なんであんなミスをするんだよ、あれで結局負けたじゃないか。麻生さんはこの前のSSS戦でも決定的なミスを犯してチームを窮地に追い込んだんじゃないか!」
「だったらさ、文句を言っている暇があったらまともなシュートをもっと撃てなかったの? 今レポートを見たけど、枠に行っているシュートが全くないじゃん! それじゃ何のための攻撃陣じゃ分からないよ!」
もう私も何も言いたくありません。
誰が悪いって、何といってもみんなが悪いんです。
…監督の私を含めて。
藤堂さんでなく鬼澤さんを起用しようと言ったのは私だし。
麻生さんを起用しようと言ったのも私だし。
でも誰も自分に責任がないと言わんばかりの言い方しかしない。
最低、ですよね。
試合終了後のミーティング、自分が悪いなんて誰も言わない。
もう進歩を諦めちゃったかのような雰囲気。
もうみんなで1つのチームを作ろうという気がない雰囲気。
これが第2ステージ2位まで行ったチームとはとても思えない。
そして負けたチームがこれからがんばっていこうと奮起するミーティングとはとても思えない。
だから。
思わず私は言いました。
「負けてその責任を他人に押し付けるようなチームの監督なんて、いらないよね」
みんなが私の方を見ました。
「それに、負けた理由を自分の中に見いだせない人たちは、もうこれ以上成長はしないと思う」
「監督!」
藤崎さんが厳しい表情で詰め寄りました。
「監督がそんなことでいいんですか?」
藤崎さんの言いたいことも分かります。
でも私、もうどうでも良くなっていました。
一生懸命チームを良くしようとがんばっていたのに、結局こうなってしまうのは、私が至らないから。
だから私はこう言いました。
「どうせ私は監督失格だと思っています」
「そんなことは!」
「じゃあ、なんで負けて他人のせいにするようなチームになっちゃったんですか?」
そう言われて、みんなは押し黙るしかありませんでした。
「次の3位決定戦、うちにしてみればもうどうでもいい戦いだと思っています。別に3位になったからと行って若干のお金とトーナメント表に3位と表彰されるだけ。それでもみんなは頑張れるの?」
みんなはここで「頑張ります!」と言えませんでした。
「頑張れないんじゃ、3位決定戦をまじめにやろうという気にはなれません。だから3位決定戦は、GKのティナ以外は今まで出番に恵まれなかった選手たちに出場の機会をあげたいと思います」
それに異議を唱える人もいませんでした。
「私からは以上です。他になければミーティングは終わりにしましょう。これ以上やっても無駄ですから」
私はそういって真っ先に席を立ちました。
そして部屋を出る時、不意に涙が溢れてきました。
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