こんばんは、陽ノ下です。
今日は大阪で撰鋭近衛隊と対戦しました。
今日は最初からみんながやる気になっていたのが、序盤からの攻勢につながったような気がします。
ところがこういう時には大きな穴が待っていたりするんです、よね。
カウンターであっという間に守備網を突き破られて、鬼澤さんがゴールに向かって突進していきます。
おそらくこのままではいけない、そう直感したのでしょう。加藤さんが何のためらいもなく後ろから鬼澤さんの足を引っかけました。
主審が加藤さんのところにやってきて、レッドカードを突き出しました。
麻生さんが何とか主審をなだめようとしますが、加藤さんは覚悟をしていたかのようにそのままベンチに戻っていきました。
監督がパットを呼んで何か指示を出しています。
そしてパットが左サイドにいる八重さんに話をします。
気が付くと、八重さんがいた場所にパットが入り、八重さんが加藤さんのいた右サイドに移りました。
そして、私たちは1人少ない10人での苦しいゲームをしなければなりません。
でも…
何となく気が付きました。
今のこのフォーメーション、偶然にもHANのフォーメーションとほとんど同じになったな、と。
今までダブルボランチを組んでいたパットが左SBに下がったので、綾崎さんのワンボランチ体制、そして両翼にSMF、トップ下に藤崎さん。FWが1人少ないことだけが違いますが、HANのフォーメーションになりました。
そしてそのフォーメーションは、意外に崩れにくいフォーメーションだな、と感じました。
そして前半のうちに先制点を取ろうという目論見も果たせました。
藤崎さんからのパスを受けた鬼澤さんが一瞬周りを見て、私にボールを預けます。
私は一瞬ゴールの方を見て、もしかしたらいけるかも、そう思ってきたボールをダイレクトでゴールに蹴り込みました。
相手DFの隙間を通ったボールは、そのままゴールネットに吸い込まれました。
やった!
私はびっくりした表情でそれを見届けると、早速鬼澤さんに抱きつきました。
鬼澤さんは嬉しそうに私に親指を立ててみせました。
後半もさらに鬼澤さんがパスカットからゴールを決めて2点差に広げ、そして守備も危なげなく守りきって2-0で勝ちました。
何か長い間10人でやっていたとは思えないくらい、余裕のある勝ち方でした。
そして札幌の結果をチェックします。
WBLが負けると場合によってはうちが予選落ちすることになるわけですが、WBLが引き分けか勝つと、その時点でうちの決勝トーナメント進出が決まります。
そしてゲームが終わった瞬間は、SCMが1-0でリードしていました。
私たちはなんだか気が気ではありませんでした。
しかし!
神様は私たちに微笑んでくれました。
それまで「後半44分 SCM1-0WBL」と表示されていたのですが、「試合終了」と表示された時に「SCM1-0WBL」ではなく、「SCM1-1WBL」となっていたのです。
みんなビックリした表情で電光掲示板を見つめます。
まさか?
WBLが試合終了直前に追い付いた?
そうなると勝ち点1のSCMは勝ち点6のうちを追い越せません。
決勝トーナメント進出決定です!
みんな、「やったー!」と大喜びでした。
でも…
ちょっと心配事がありまして。
どうやら今日のゲームで、ティナが指を痛めたようです。
どうやら1週間も経てば痛みはとれるみたいなのですが…
「HAN戦に向けて大事を取って、次のSSS戦は代役を出すしかないかな?」
監督はちょっと難しい表情をしてつぶやきました。
うちはGKが1人しかいないの、今頃になって気付きました。
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